代表あいさつ

 このたび安井昭夫前代表理事の後任として代表に就任いたしました。私は、縁あって1965年クラレに入社し、2000年から2008年までの8年間、代表取締役社長を務めました。その間、總一郎社長の執筆された著書や社内報に掲載された随想や論稿を、当事者として真摯にじっくりと読ませていただきました。孫三郎社長については、總一郎社長の書かれたものや、没後40周年に当たる1958年に上梓された「大原孫三郎傳」を読み、彼の実業、社会事業、文化事業などの輝かしい業績の根幹にある思想、理念について理解を深めようと試みました。
 そして、社長在任時に実行した施策の多くが、大原父子の言葉に触発されたものであると、言い切ることができます。
 大原父子については、その評伝、ノンフィクションノベル、学術書など著作が多岐に亘っています。しかし、大原父子双方とも未解読の書簡や日誌等も多く残っているとお聞きします。まだまだ今後の研究により、その理念の根幹を極め、思想の先駆性を理解すべく課題が残されているといえましょう。そしてその研究成果を次世代を担う若人たちにわかりやすく伝えていく、これがこれからの有隣会の果たすべき役割であると存じます。今後ともご指導、ご鞭撻をお願いする次第です。

一般財団法人有隣会<br>代表理事 安井昭夫

再編趣意書

 二十一世紀も十年が経過した今、世界では国際社会が直面する諸課題が人類の前に大きく立ちはだかり、日本社会でも私たちが抱える諸問題が相次いで顕在化しています。 私たちは、今、新しい模索の時代の入り口に立っているのです。
 そのような時、倉敷の大原家が代々継承してきた事業の中に生きている精神は、貴重な指針を与えるゆるぎない精神遺産であると、私たちは考えます。その精神遺産は、大原孫三郎、總一郎父子の思想と行動の中で、現代的意義付けを獲得し、今に活きています。
 有隣会は、大原孫三郎、總一郎父子の事績を顕彰し、その志を広く世に伝えることを目的とする会です。ここに集うのは、その「大原精神の理念」で結ばれた精神的隣人たちです。 私たちは、この有隣会をして、より広く「大原精神の理念」の真髄を極め、これを後世に伝えるための活力ある組織として再発足させたいと考えます。
 その趣意に沿い、ここに、有隣会は、新しい規約を定め、有志を募り、再発足します。

設立発起人大原謙一郎